今、日本では空き家が増え続けていて、この30年間で2倍以上に増加しているそうです。
放置された空き家は、「外壁材や屋根材の落下」、「家屋の倒壊」など保安上危険な状態となるほか、「ごみの不法投棄」、「悪臭」、「ねずみや野良猫、害虫などの繁殖」、「雑草の繁茂」など衛生面や景観の悪化などをもたらし、地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼします。
また、外壁材や屋根材の落下、火災などによって通行人や近隣の家屋に損害を与えてしまうと、損害賠償責任を問われる可能性もあります。
このように、適切な管理が行われていない空家等が、防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることから、国は、地域住民の生命、身体又は財産を保護するとともに、その生活環境の保全を図り、あわせて空家等の活用を促進するために、平成26年、「空家等対策の推進に関する特別措置法」を制定しました。
この法律によると、空き家については2種類の定義がされています。
「空家等」:建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地
「特定空家等」:そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等」
このうち、「特定空家等」に認定されると、自治体は所有者に適切に管理をするように助言や指導を行い、それでも改善が見られない場合は、勧告や命令を行う他、場合によっては、「行政代執行」によって強制的に取り壊される可能性もあります。
空き家の発生原因の半分以上が相続とされていますが、自治体によっては、空き家の相談窓口を設置し、空き家の所有者のニーズにあった専門家や事業者等の紹介などを行っている場合があります。
また、近年、都会から田舎に移住する人たちが全国的に増えていることを背景に、空き家所有者と利用希望者の橋渡しを目的とした「空き家バンク」も注目を集めています。
「空き家バンク」とは、空き家・空き地の売却・賃貸を希望する所有者等からの希望に基づき、空き家・空き地に関する情報を、住み替えなどを検討している方に対して、市のホームページなどインターネットにおいて情報を提供する制度です。
空き家を「売りたい・貸したい」と考えているなら、不動産業者に相談するだけなく、「空き家バンク」に登録されてみてはどうでしょうか。
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(引用元:内閣府大臣官房政府広報室 年々増え続ける空き家!空き家にしないためのポイントは?)