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2024/09/30
その他の労働条件

専門業務型裁量労働制

 

この制度は、労働者の健康確保と能力や成果に応じた処遇を可能としながら、業務の遂行手段や時間配分等を労働者の裁量に委ねて労働者が自律的・主体的に働くことができるようにすることによって、労働者自らの知識・技術を活かし、創造的な能力を発揮することを実現することを目的としています(厚生労働省)。 

 

つまり、裁量労働制が採用された場合、対象となる労働者は自身の裁量で自由に働くことができ効率的な業務遂行が可能となることから、企業にとっては、優秀な人材が集めやすくなり、生産性を高めることができるというメリットがあり、労働者にとっても、定められた労働時間に縛られず自分のペースで働けるため、集中力・モチベーションの向上だけでなく、ワークライフバランスにも寄与するというメリットがあるとされています。 

 

この制度はすべての業務が対象になるわけではなく、業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をすることが困難とされている以下の20の業務のみ認められています(令和6年9月時点)。 

 

1 新商品若しくは新技術の研究開発又は人文科学若しくは自然科学に関する研究の業務

2 情報処理システムの分析又は設計の業務

3 新聞若しくは出版の事業における記事の取材若しくは編集の業務又は放送法第2条第28      号に規定する放送番組の制作のための取材若しくは編集の業務

4 衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務

5 放送番組、映画等の制作の事業におけるプロデューサー又はディレクターの業務

6 広告、宣伝等における商品等の内容、特長等に係る文章の案の考案の業務(いわゆる

 コピーライターの業務)

7 事業運営において情報処理システムを活用するための問題点の把握又はそれを活用す

 るための方法に関する考案若しくは助言の業務(いわゆるシステムコンサルタントの

 業務)

8 建築物内における照明器具、家具等の配置に関する考案、表現又は助言の業務(いわ

 ゆるインテリアコーディネーターの業務)

9 ゲーム用ソフトウェアの創作の業務

10 有価証券市場における相場等の動向又は有価証券の価値等の分析、評価又はこれに基

 づく投資に関する助言の業務(いわゆる証券アナリストの業務)

11 金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務

12 学校教育法に規定する大学における教授研究の業務(主として研究に従事するもの)

13 銀行又は証券会社における顧客の合併及び買収に関する調査又は分析及びこれに基づ

 く合併及び買収に関する考案及び助言の業務(いわゆるM&Aアドバイザーの業務)

14 公認会計士の業務

15 弁護士の業務

16 建築士(一級建築士、二級建築士及び木造建築士)の業務

17 不動産鑑定士の業務

18 弁理士の業務

19 税理士の業務

20 中小企業診断士の業務

 

 

例えば、プログラムの設計又は作成を行うプログラマーは、上記2の「情報処理システムの分析又は設計の業務」には含まれないものとされています(平6.1.4通達)。

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