日本においては、中小規模事業者をはじめとした人手不足が深刻化しており,経済・社会基盤の持続可能性を阻害する可能性が出てきたため,生産性向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において,一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていく仕組みを構築すべく、2019年(平成31年)4月1日、新たな在留資格として、特定技能制度が施行されました。
この特定技能資格で就労が可能な分野は「特定産業分野」といい、現時点で対象は12分野ですが、今後は、以下の16分野まで増える予定です。
介護、ビルクリーニング、工業製品製造業(素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野)、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業
特定技能資格で在留している外国人数の推移は以下のとおりです(出入国在留管理庁「特定技能制度運用状況等」参照)。
この表を見る限り、平成4年くらいまでは、特定技能の資格で在留している外国人の多くは、他の在留資格から変更(技能実習生が移行)してきた外国人で占められていますが、しかし、令和5年からは、各関係部署の地道な努力が実を結び、少しずつではありますが、着実に、上陸時に特定技能の許可を受けて在留を開始する外国人の数が増えてきています。他の在留資格に比べて条件がかなり厳しく、受け入れ体制の整備や申請書類などの手続きが煩雑であることを考えると、関わっている方々に対し頭が下がる思いです。
下記は、昨年の11月にネパールで実施された介護技能評価試験、介護日本語評価試験の結果です。技能評価試験は、385人が受験し、275人が合格、合格率71.4%という数字になっています。日本から遠く離れたネパールでこのような試験が実施されていること、実際に受験し、合格した方が275人もいること、この中から、特定技能の資格で日本に来て介護の仕事に従事してくれる方が実際にいることに、個人的には感銘を受けます。
絶対に、日本に来たことを後悔することのないよう、受け入れ企業におかれては、労働、社会保険及び租税に関する法令の規定を遵守していただくよう、心よりお願いする次第です。