近年、訪日外国人数の増加にともない、観光地にある飲食店や宿泊施設等では、日本語以外での対応を求められる機会が増えています。そのため、外国人旅行客が訪れる機会が多い場所では、日本語以外の言語が話せるスタッフの需要が高まっていますが、日本語以外の言語を話せる日本人を雇用することは非常に難しいのが現状です。そのため、冬場のスキー場、夏場のリゾート地などでは、ワーキングホリデー制度で滞在している外国人を期間限定で雇用することが注目を集めています。人手不足でいいアルバイト等が見つからないと悩んでおられる経営者の方は、一度、ワーキングホリデー中の外国人の採用を検討してはいかがでしょうか。
このワーキング・ホリデー制度というのは、二国・地域間の取決め等に基づき、各々の国・地域が、相手国・地域の青少年に対し、休暇目的の入国及び滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める制度です。各々の国・地域が、その文化や一般的な生活様式を理解する機会を相手国・地域の青少年に対して提供し、二国・地域間の相互理解を深めることを趣旨としています。
令和7年1月1日現在、日本は、以下の国・地域との間でワーキングホリデー制度を導入しています。
オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、韓国、フランス、ドイツ、英国、アイルランド、デンマーク、台湾、香港、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、オーストリア、ハンガリー、スペイン、アルゼンチン、チェコ、チリ、アイスランド、リトアニア、スウェーデン、エストニア、オランダ、ウルグアイ、フィンランド、ラトビア、ルクセンブルク(合計30)
ワーキングホリデービザ(査証)は、観光、就学、就労ができるビザで、どこに滞在してもどこを旅行してもよく、仕事をしても、語学学校に通っても良いという非常に使い勝手の良いビザです。日本は、およそ1年間に2万近い数のワーキングホリデービザを発給しています。
ビザ(査証)の発給要件は、おおむね以下のとおりですが、国・地域によってビザの発給要件に違いがあるので、詳細な要件は、それぞれの国・地域にある日本国大使館・総領事館等へ問合せする必要があります。
① 相手国・地域に居住する相手国・地域の国民・住民であること。
② 一定期間相手国・地域において主として休暇を過ごす意図を有すること。
③ ビザ申請時の年齢が18歳以上30歳以下であること(一部の国・地域を除く)。
④ 子又は被扶養者を同伴しないこと。
⑤ 有効な旅券と帰りの航空券等(又は航空券等を購入するための資金)を所持すること。
⑥ 滞在の当初の期間に生計を維持するために必要な資金を所持すること。
⑦ 健康であること。
⑧ 以前にワーキング・ホリデー・ビザを発給されたことがないこと(一部の国・地域を除く)
ワーキングホリデーで外国人が日本に滞在できるのは、基本的に入国してから1年間です。期限が終了して、新たな在留資格を申請せずに日本に滞在すると不法滞在となります。在留資格のないまま働いていると、雇用主にも刑罰が科される不法就労になってしまうので、ワーキングホリデーとして許された在留期間がいつまでなのか、外国人、雇用主共に注意が必要です。
雇用しようとする外国人が、ワーキングホリデー制度を利用しての滞在者か否か確認するためには、まずは「在留カード」をチェックすることになりますが、在留カードには、「特定活動」という記載しかないので就労可能か否かの判別ができません。そのため、在留カードだけではなく、パスポートについている「指定書」の内容を確認する必要があります。
ワーキングホリデーで滞在する外国人を雇用する場合、他の就労可能な在留資格を持つ外国人同様、労災保険、社会保険は適用されますが、雇用保険は適用されません。これは、ワーキングホリデー制度による入国者は、休暇の付随的な活動として旅行資金等を補うために就労が認められているに過ぎないからです。