労働基準法施行規則別表第1の2において、「人の生命にかかわる事故への遭遇その他心理的に過度の負担を与える事象を伴う業務による精神及び行動の障害又はこれに付随する疾病」について、業務上の疾病の一つとして明記されています。
疾病とは、「客観的な要因により体内機能の異常や不具合が生じた」状態のことを指す言葉で、疾患(病気)とは若干ニュアンスが異なります。
あと、精神の障害、行動の障害という言葉も出てきますね。
前提として、精神疾患とは、精神に関連するさまざまな病気のことで、精神に関する不調は精神疾患に含まれるとされています。統合失調症やうつ病、双極性障害などがあり、メンタル的な問題を伴う病気は全て精神疾患に分類されます。
精神障害、行動障害というのは、この精神疾患により、精神的、身体的な機能が低下したり、社会活動に影響が出たりしている状態のことを指します。
行動障害については、厚生労働省が、精神疾患に基づく行動障害の類型とレベルを公表しているので、以下、参考にしてみてください。
出典:厚生労働省「精神疾患に基づく行動障害の類型とレベル」
ちなみに、令和元年~令和5年までの、精神障害に関する労災の補償状況は以下のとおりです。
出典:厚生労働省「令和5年度 過労死等の労災補償状況」
ここにも挙げられていますが、業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺については、過労死等防止対策推進法上、過労死と定義されています。
過労死等防止対策推進法2条
この法律において「過労死等」とは、業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害をいう。
厚生労働省が公表している「精神障害の支給決定件数の多い職種」(以下、参照)をみると、ある職種に偏っているというよりは、いろんな職種に満遍なく精神疾患の労災認定がされているという印象を受けます。
個人的には、一般事務従事者がトップになっていることが意外でしたが、弁護士業界でも、雇い主である弁護士の事務員に対するパワハラが問題となることが多いので、他の業界でも、立場の弱い事務員に対するパワハラ事案が多いということなのかもしれません。
出典:厚生労働省「令和5年度 過労死等の労災補償状況」