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2024/09/29
その他の労働条件

高度プロフェッショナル制度

 

働く人の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現することで、成長と分配の好循環を構築し、働く人一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目的とする、いわゆる働き方改革の一環として創設されました。

 

対象となる労働者は、使用者から確実に支払われると見込まれる1年間当たりの賃金の額が少なくとも1,075万円以上であり、以下の業務に常態として従事している労働者に限られます。   

 

  • 金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務
  • 資産運用の業務又は有価証券の売買その他の取引の業務のうち、投資判断に基づく資産運用の業務、投資判断に基づく資産運用として行う有価証券の売買その他の取引の業務又は投資判断に基づき自己の計算において行う有価証券の売買その他の取引の業務
  • 有価証券市場における相場等の動向又は有価証券の価値等の分析、評価又はこれに基づく投資に関する助言の業務
  • 顧客の事業の運営に関する重要な事項についての調査又は分析及びこれに基づく当該事項に関する考案又は助言の業務
  • 新たな技術、商品又は役務の研究開発の業務 

 

 

その結果、高度プロフェッショナル制度の対象労働者は、短時間で成果・業績をあげようとするインセンティブが働き、生産性が向上するというメリットがあると言われています。逆に、成果が給与額に直結しているため、成果を上げようとこれまで以上に長時間働き続けることになるのではという懸念もあります。しかし、仮に、長時間労働が常態化するのであれば、あえてこの制度を利用することなく、通常の契約にして残業代を支払ってもらうという選択もできるため、かかる懸念は杞憂かもしれません。 

 

どちらにしても、この制度の導入に当たっては、労使委員会での決議や対象労働者の同意などが必要となるため、制度の利用が広がるには時間がかかるかもしれません。 ちなみに、厚生労働省が公開している高度プロフェッショナル制度に関する報告の状況によると、令和6年3月末時点で、同制度の導入企業数は29社、対象労働者数は1,340人(このうちコンサルタント業務が1,269人)となっています

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